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2009/05/08
【新コラム】食品メーカーのサイトの歩き方について


食品のパッケージは、消費者とメーカーや食品卸をつなぐ架け橋です。
商品の説明や食べ方だけでなく、レシピの一例が写真つきで掲載されていたり、
ほのぼのする絵やコラムがあったり、キャンペーン情報があったりと実に盛りだくさん。
少し前から「作り手」の顔を見せる流行もあり、生産者のご家族の笑顔の写真が貼ってあったりします。
ご本人は、どんな気分なんでしょうね。

ホームページへの誘導文句も読み応えがあります。「レシピが豊富」「情報満載」など情報量で興味をひかせるもの、「プレゼントキャンペーン」など一時的に高アクセスに結びつけようというものなどさまざまです。いずれにしても「ホームページにはお得な情報があるからぜひアクセスしてください」というのが基本スタンスだと思います。

企業には、お得な情報を発信しながらファンづくりをしています。
消費者は、お得な情報を受け取りながら同時に企業を査定しています。

私は仕事で、食にかかわる企業のホームページ制作やレシピ開発にかかわる中で、
WEBの担当者が自社商品をいかに魅力的に紹介し、
安心安全のメッセージをどのように伝えていくか、
その表現方法を試行錯誤していることを肌で感じました。
今やあるのが当たり前となった企業サイトは、情報編集力が問われています。

新商品情報やキャンペーンなど増え続ける情報を整理するのと同時に、販売終了になった商品についても情報を整理して消費者にわかりやすい情報提供を行う努力をしています。さらにホームページは「更新感」が大事。限られた予算の中で楽しいコラムや社員ブログを次々と作ったり、商品を使用したレシピの数も増やしていかなくてはなりません。

企業ホームページの構築やメンテナンスは複雑をきわめています。
WEBでできることが増えるほど、何をやって何をやらないかを
一歩先の目をもって判断していく必要も出てきました。

だからこそホームページには、担当者の思い(=企業の考え方やセンス)が
凝縮していく面白さがあります。そして手間をかけたコラムや情報は、
ちゃんとアクセスがあがり、一定の成果を出していくのです。
消費者はプレゼント応募が目的でアクセスしただけでも、
無意識のうちに、企業姿勢などいろいろな情報を瞬時に読み取り、
その会社の力量をシビアに査定しているということになると思います。

誰もが知っている有名企業のホームページの担当者がこんなことを言ってました。
「企業のホームページは大会社ほど無機質になっていくけど、
うちの会社は無機質になりすぎず、デザインや文章で温もりを表現してほしい」
こういうオーダーがあれば、ベストな「さじ加減」で表現していきたいと、
コピーを書く人間としては、思わず腕まくりをしてしまいます。

この話を聞いたとき、食品パッケージを頼りに、さまざまな企業のホームページを
徹底的にチェックしてみようと思いました。宝探しの感覚です。
いま流通している食品は時代の鏡。サイト紹介も一期一会を楽しみます。
ユニークな企業を見つけたら、現地取材もしたいと思っています。

「地球の歩き方」ならぬ「食品メーカーサイト」の歩き方という訳です。
どんな旅になるでしょうか?
試行錯誤しながらですが、チャレンジしていきたいと思います。

第1回は、子大豆もやしのサラダコスモ(長野県駒ヶ根市)を取り上げる予定です。

どうぞよろしくお願いします。